電磁波についての考察

電磁波の伝播

物理の世界で電磁気学は特に興味深い対象です。光や放送波は電磁波の一種ということから、人間の生活に密着しています。しかし電磁気そのものには人の目に見えない感性を超えた不思議さがあります。ここに、これまで考えてきた電磁波の伝播について発表します。

1.電磁波の定義

従来、電磁波の性質は以下のよう考えられています。
1)電磁波は物質がエネルギーに変換された形態である。
2)質量はないが運動量を持つ。
3)真空や金属以外の物質中を伝播する。
4)電磁波の伝播速度は空間の比誘電率と透磁率によって定まり、真空中では約30万km/秒で進む。

2.電磁波の伝播

1)要旨

電磁波は質量を持った物が電界と磁界のエネルギーに変化した状態であるので、物体と同様に運動の法則に従うと考えることが出来る。一方、電磁波が伝播する速度は環境の誘電率と透磁率によって定まり、空間に対して一定である。「速度が一定である」の本質的な意味は「電磁波が置かれている環境に対して一定の速度で進む」と考える。この二つの原則に従い、運動する発生源から一定速度で放射される電磁波は静止系(具体的には宇宙空間)にたいして慣性があると考える。すなわち、電磁波の伝播速度は発生源固有の速度に運動速度が「慣性速度」として加わった「見かけの速度」で伝播する。
電磁波の「慣性速度」は、発生源の運動速度と等しく、電磁波の速度をc、運動速度をV、慣性速度をVsとすると電磁波の見かけ速度CvはC+Vsとなる。

2)説明

運動する発生源から放射された電磁波の進行方向とその直角方向の速度成分を求める。電磁波の見かけ速度は電磁波の進む方向と運動方向との角度θとすると、進行方向の速度はCxcosθ+v、垂直方向の成分はcxsinθとなる。

(1)見かけ速度と慣性速度

電磁波の見かげ速度 発生源の運動が電磁波の進行方向にたいして作用する原理を図―1.に示す。運動方向と電磁波の進む方向がなす角をθとすると、電磁波の見かけ速度は電磁波の速度に慣性速度を加えたものとなる。
Vs=V (1)
Cv=C+Vs (2)
cv=((cxcosθ+v)^2+(cxsinθ)^2)^1/2 (3)
θ=atan(c/v) (4)
θv=atan(cv/vs) (5)
Vs,vs  ;慣性速度
V,v  ;運動速度
Cv,cv  ;電磁波の見かげ速度
C,c  ;電磁波固有の速度
θ  ;電磁波角
θv  ;見かげ角
但し、大文字はベクトル、小文字はスカラーとする。

図―1.電磁波のみかげ速度

(2)静止する電磁波源が放射する電磁波

静止する電磁波の伝播 実際には存在しないのだが電磁波の発生源が動かなかったとした場合の伝播状態を図―2.に示す。
電磁波は本来の電磁波速度Cで原点Oから放射状に伝播し、時刻t0〜t10に至る。各時刻における電磁波が進んだ位置を示す等時線は、発生源を中心とした同心円になる。

to,t10  ;電磁波が伝播する時刻の位置
図―2.静止する電磁波源からの伝播

(3)運動する電磁波源が放射する電磁波

図―3.は電磁波源が電磁波速度の約38%で右方向に運動している伝播の状態を示す。図―1.で説明した原理で慣性速度と電磁波固有の速度が合成された見かげ速度を表し、時刻t0で発生した電磁波は、見かげ速度Cvでt10にP点に到達する。当時線の形状は静止した電磁波源の伝播図を右方向に移動した距離だけ平行移動したものになる。 各方位に進む電磁波の見かげ速度は、0°のときが最大でCv=C+V、90°の見かげ速度は電磁波本来の速度Cである。等時線の間隔は全ての方位について等しい。 図のX,Y座標に対して、伝播軌跡、電磁波の進む位置、伝播速度、周波数(f)について以下の式で示す。
運動する電磁波源からの伝播・電磁波の伝播軌跡
(x-vt)^2+y^2=(ct)^2s (6)
・運動方向の位置
x=(c+v)ts (7)
・伝播速度
Cv=C+Vs (8)
・進行方向の周波数
ff=(c+v)/λv (9)
・反対方向の周波数
fb=(c-v)/λv (10)
但し、^2は二乗を表す
λv ;見かげ速度における電磁波波長

図―3.運動する電磁波源からの伝播

3.考察

1)電磁波の本質

電磁波と呼ばれるのは波の性質があるからとの発想であるが、音波や水の波とは本質的に異なる。これらは空間に充満している空気や水は伝播媒体であり、水や空気は振動するが位置的に移動しているのではない。電磁波は磁界と電界のエネルギーが振動しながらの伝播するもので位置を移動する。それでは粒子であるかというと、電磁波は形もなく容積もないエネルギーの空間であるから粒子でもなく電磁波は電磁波なのである。

2)運動する天体の見え方

運動する恒星や惑星の今見えている位置は実際の位置に同じであるが、過去の位置の姿である。光の伝達時間だけ過去の情報を今見えている方角で観測しているのだ。一般に天文学界の数値はこの原則をとっているので問題は発生していない。しかしながら、一般には移動する星の現在位置は、光の伝達時間移動した距離だけ先にあると言う。但し、太陽と地球の位置関係は、地球が運動しているので一般論通りで、実際の太陽は見えている太陽より進む先にある。

3)光速の決定

歴史的に光の速度を計測する方法は、地上の距離を伝播する時間で測る方法であるので、見かけの速度でなく真の電磁波の速度を計測していることになる。地上の発生源から生じる電磁波の見かけの速度を地上で計測することは出来ない。宇宙からくる光の速度を計測すれば見かけの光速が知れるが光の発生源の速度は更に不明である。

4)電磁波の反射

鏡に反射する電磁波の位相は反転するが、速度は完全弾性体と見ることが出来るので変化しない。

5)電磁波のドップラー効果

発生源が運動することによって発生するドップラー効果は、観測者が電磁波の進行方向に対してどこに位置するのかで周波数の粗密が異なり、運動の方向に進む電磁波の密度は高く、反対方向の電磁波の等時線の密度は粗い(図―3)。方位角0°から90°までドップラー効果は式(9)、(10)で表される。ドップラー効果は角度に対する方向性がある。

6)アンテナで起きている事象

磁場内を電流が横切ると導体に力が発生するが、これは運動する電流が磁場を動かすとき生じる反作用の力である。電磁波を出しているアンテナが運動することは高周波電流が流れている導体が運動していることと同じであるので、電流はアンテナに力を生じさせる。すなわち、運動するアンテナ電流は電磁波に運動量を与えることになり電磁波は慣性速度をもって伝播する。

7)絶対静止系の定義

もし放射状に進行する電磁波の見かけの速度が計測出来れば、観測装置が置かれている場所の運動を知ることが出来る。すなわち絶対静止系が定義できるははずだが、条項の3)に述べる理由で計測することが出来ない。

8)重力が電磁波へ及ぼす効果

電磁波の性質は質量と同等のエネルギーである。電磁波に横向きの重力加速度gが掛かるとき、電磁波は半径R=g/Cv^2の円周運動をする。(Cv;見かげの電磁波速度)必然的に光の運動は重力場の影響を受ける。また、電磁波が円運動するときも同様に遠心力が働くので光路が変化する。

4.おわりに

電磁波伝播について不思議なことが多く、よりどころがありませんがここに心の欲するまま発表します。各界には真理の追求を期待します。電磁波の世界は行きついてみたら釈迦の指であった孫悟空の世界ではないかと思います。

電磁波について2017/01/25