電磁波の研究

改定   2020/11/05電磁波の進行角度を放射角から偏角に変更、MMの実験を考察、作者表明

電磁波伝播の概括

電磁気学は物理の世界で特に興味深い分野です。光や電波は日常その恩恵を受けて欠くことのできないものですが、その性質には人の感性を超えた不思議な特徴があります。この研究は電磁波の伝播特性をテーマとしています。論点は「電磁波は電磁気的特性と力学的特性を有する」です。すなわち、運動する電磁波の発生源から生じる電磁波の速度は一定の速度で進む電磁的速度成分と運動速度の正弦方向成分が合成されたものであります。
本論は仮説ですが自然界の多くの現象に符号していると考えます。しかるに、内容が事実であるかは実験による証明を待つことになります。

1.電磁波の基本的性質

電磁波の性質は以下のように考えられています。
1)真空及び空気、液体、透明結晶等の物質を透過する。
2)屈折、拡散、回折、干渉の現象がある。
3)磁界と電界が振動して空間を移動する電気エネルギーである。
4)伝播速度は環境の誘電率と透磁率によって定まり真空中では30万km/秒で一定である。
5)質量は無いが運動量を持つ。
以上の項目は先人の研究の成果ですが、運動力学的な性質に及んでいません。

2.電磁波の生成からみた伝播特性

電磁波が生成される仕組みからその伝播特性を考えます。マックスウェルの電磁方程式は電磁波の伝播が波動であることを示しています。電磁波の発生は電気的な発振器で生成され、光は電子が原子に直接作用するか又は原子が加熱されることにより原子を構成する電子が励起されて生成します。いずれにしても電磁波の生成は電子の運動に起因しています。一つの電子(電流)が生成する電磁波すなわち磁界は一平面内(X-Y平面)に存在します。電磁波はその平面に垂直(Z軸)の電流の周りに生成した環状の磁界として伝播します。なお光が球面波を構成するのは無数の原子内の電子があらゆる方向に振動しているからです。電磁波は電流エネルギーが磁界及び電界エネルギーに転換した状態であることから「電磁波は力学的な運動の性質がある」と考えます。電磁波の伝播速度と発生源の動的速度の合成原理を図2-1に示します。
・電磁波の生成
電磁波の生成 交番電流が流れる方向をZ軸とするとその周りに同心円状の交番磁界Hが発生します。生成した電磁波はX-Y平面において原点Oを中心として同心円状に放射します。電界Eは磁界に対して直角に位相が90°ずれて生成します。
・運動する発生源の電磁波の速度
真(静止する発生源)の電磁波の速度を電磁波速度C、発生源の運動速度をV、実際の電磁波の速度を電磁波進行速度Cvで表します。各速度は宇宙基準すなわち静止系における速度ベクトルです。
電磁波と進行波、運動がなす角をそれぞれ偏角θ、進行角θvとします。
進行速度Cvは電磁波Cと運動速度正弦成分Vsを合成したC+Cvとなり,進行角θvはθ-atan(Vs/C)で表されます。
・電磁波の観測速度
運動する発生源と同じ座標にいる観測者からみた電磁波の見かけの速度は観測速度Ce=Cv-Vで表されます。
詳細は「3.(6)地球上で計測される電磁波の速度」を参照して下さい。

3.電磁波の速度

(1)進行速度の軌跡

発生源は電磁波速度の38%で右(X軸)に進むものとします。電磁波と運動のなす偏角θが0°から180°まで30°毎の電磁波の進行速度を図3-1に示します。図は偏角θが60°について説明しています。電磁波の進行速度ベクトルの軌跡はほぼ円ですが変形しているのが分かります。
電磁波の進行速度
Cv=C+Vs (3-1)
Vs=Vxsin(θ) (3-2)
cv=(c^2+(vxsin(θ))^2)^(1/2) (3-3)
θv=θ-atan(vs/c) (3-4)
(小文字はスカラー)
C   ;電磁波速度
Cv  ;電磁波の進行速度
V   ;電磁波発生源の運動速度
Vs  ;運動速度の正弦成分
θ   ;偏角
θv  ;進行角

進行速度は電磁波速度より大きく、偏角θ=90°のとき最大でcvmax=(c^2+v^2)^(1/2)となります。
θが0°、180°のとき最小で電磁波速度と等しくcvmin=cとなります。

(2)静止する電磁波源が放射する電磁波

電磁波の発生源が静止している場合(運動速度=0)の波面の軌跡を図3-2に示します。 静止する電磁波の伝播

宇宙の万物は運動しているので静止している電磁波の発生源は存在しませんが、仮にあるとした場合原点Oから速度Cで放射状に伝播する電磁波の進行速度は電磁波速度に等しく、電磁波が時刻t1〜t10に到達する軌跡は発生源Oを中心とした同心円になります。

Cv=C+Vs (3-1) V=0 (3-5)
∴Cv=C (3-6)



(3)運動する発生源がt0時刻に放射する電磁波

電磁波の発生源が電磁波速度の38%で右方向に運動している伝播の状態を図3-3に示します。
運動する電磁波源からの伝播
原点Oにおいて時刻t0で発生した電磁波のt1〜t10における到達位置の軌跡を示します。
電磁波進行速度は電磁波速度Cに運動速度Vの正弦速度成分Vsが加算されCVです。
運動方向に対して正逆方向に進む電磁波のt10における位置は電磁波速度Cであることが分かります。

(4)運動する発生源が定時刻に放射する電磁波

電磁波の発生源が時刻t0~t10において放射した電磁波がt10に到達する位置を図3-4に示します。 運動する電磁波源からの伝播

運動する方向に波形の間隔が密になるのはいわゆる”ドップラー効果”です。運動方向に一定の時間間隔で発生する電磁波は次に発生した電磁波の発生源が移動した距離の分間隔が詰まる現象です。運動する方向と逆の位置では間隔は伸びて見かけの周期は小さくなります。運動方向にたいして横に放射する電磁波もドップラー効果は発生しています。






(5)光速で運動する発生源からの電磁波

光源が光の速度で運動した場合の電磁波の進行速度の軌跡を図3-5に示します。
光速で運動する電磁波源からの伝播
もし電磁波の発生源が光速で運動すると電磁波の進行速度Cvの軌跡は桃割れ形になり、偏角θが90°の時最大で光速の141%、0°、180°の場合は電磁波の速度Cに等しくなります。発生源とともに運動する観測者には電磁波が止まっていることになります。光速以上で運動する場合も同様に計算・作図できますが物理的な意味は不明です。

(6)地球上で観測される電磁波の速度

地球は30Km/秒の速度で公転し、かつ太陽系は銀河宇宙内を220km/秒で運動しています。また、銀河系の運動速度は600km/sと推定されています。地上で計測する電磁波の進行速度は地球の運動速度に影響されます。仮に地球の運動速度を光速の38%(11.4万km/s)として、地球上で観測される電磁波の速度を図3-6に示します。

地球上で観測する電磁波
地球上で計測される電磁波の観測速度は「(3)運動する発生源がt0時刻に放射する電磁波発生源が運動する電磁波の軌跡(図3-3)」における電磁波の進行速度から地球の運動速度Vを引いた軌跡になります。
Cv=C+Vs (3-1)
Ce=Cv-V (3-7)
ce=(c^2+(vxsin(θ))^2)^(1/2) (3-8)
Cv;電磁波の進行速度
C;電磁波速度 Vs;運動速度の正弦成分
Ce;地球上で計測される電磁波の観測速度
V;電磁波発生源の運動速度


4.電磁波についての考察(現象から見た証明)

電磁波は電気的エネルギーである磁界と電界が振動しながら移動する現象です。音や波は媒体である空気や水が移動することなく振動だけが伝搬することから、音や波とは生成の原理が異なります。波は横波で音は縦波で電磁波も横波と言われていますが、電磁波は進行方向に粗密ですから縦波です。電磁波が電気的特性と力学的運動の性質を併せ持つことを実験で示す必要があります。マイケルソンモーレー等の実験の結果、電磁波の速度は運動速度に影響されないことになっていますがそのように言えるでしょうか。一方、天体の現象、電波の現象から電磁波の性質が分かります。いわゆる状況証拠をもって本論の反証とします。

1)光の速度の計測

光の速度はHe・Neレーザーの周波数と波長を掛けた値で299,792,458±1.2m/秒と定義されています。波長の計測に光の干渉の原理を使用するので地球の公転速度及び太陽系の運動速度が影響します。(波長の長さの基準は不明ですが)地球の運動速度が」600km/秒とすると、誤差は4x10E-6となるのでその影響は無視出来ません。概念的には「(6)地球上で観測される電磁波の速度(図3-6)」が示すように、電磁波の放射方向を往復する伝播時間の誤差は非常に小さいですが検出可能でしょう。正確に電磁波の観測速度を知るために光の反射を使わない一方向(片道)で計測することが必要です。

2)電磁波の反射

鏡に反射する電磁波は位相の反転と偏光現象を伴いますが、完全弾性であるから電磁波の発生源と同じ性質を持ち、鏡の運動する速度に影響されません。但し、発生源と観測者の相互速度の差は電磁波の見かけ速度差となって変化します。

3)電磁波のドップラー効果

発生源が運動することによって発生するドップラー効果(現象)は、観測者が電磁波の進行方向に対して位置する場所により周波数の粗密は変化し、運動する発生源の前方にある場合電磁波の密度は高く、後方にあ場合は密度は粗くなります。(図3-4)参照
この現象は発生源が移動する場合と観測者が移動する場合のいずれも同じ見かげ速度の差が原因しています。

4)マイケルソンモーレーの実験

マイケルソンモーレーが行った実験は、運動する地球上にある光源から発する光の速度が地球の運動により変化する光路差により干渉縞が現れると予想して行われましたが、干渉現象は起きなかったというものです。
実験装置の原理をマイケルソンモーレーの実験の原理を図4-1に示します。 
計測装置の光程(L=11m)、地球の運動速度(600km/秒)とします。
運動方向の行程時間t1の計算は以下の通りです。
マイケルソンMの実験
t1=L/(c-v)+L/(c+v)
=2xLxc/(c^2-v^2)
=7.33336267E-08
横方向の行程時間は
t2=2L/√(c^2+v^2((sin(θ))^2-4)
θ=π/2とすると
t2=2L/√l/cx1/√(1-3(v/c)^2)
=7.33333333E-08
縦と横行程の時間差は
Δt=t1-t2
=2.9E-13
となり,時間差は非常に小さいことが分かります。
マイケルソンモーレーの実験は失敗しましたがそれをもって「光の速度が不変」とは言えないでしょう。

5)光差

光差は運動する天体の見かけの位置と実際の位置の違いの時間差で、次の光差方程式で定義されています。
c(t2-t1)=|r1(t1)-r2(t2)|
c;電磁波の速度
t1,t2;電磁波の生成時刻と地上での観測時刻
光差 r1,r2;t1,t2における天体と観測点間の距離
これは電磁波の伝播速度が天体の運動に影響しないとした考え方です。

次に本理論による計算式と原理図「図4-2光差」を示します。
cv(t2-t1)=|r1(t1)-r2(t2)|
Cv=C+Vxsin(θ)
cv=(c^2+(vxsin(θ))^2)^(1/2) Cv;電磁波の進行速度
V;天体の運動速度
θ;偏角
つまり、t2時に観測される天体は、定説ではr1の方向に見えることになりますが、本論ではr2の方向に見えることになります。

6)光行差

光行差は観測者が運動する場合に起きる現象です。電磁波は一定の光路を伝播しますが受信者が移動するために見かけ上、光路が傾いているように観測されます。
この時の電磁波の見かけの速度;
cs=(c^2+v^2)^(1/2)
光行差角;φ=atn(v/c)
c;電磁波の速度
v;観測者の運動速度
となります。

7)天体の観測

(1)天体の運動と地球の運動
観測者に対して横方向に運動する天体は光の伝播時間の遅れがあるので過去の姿ですが、今見えている位置は「光差」の項の説明のように実際の位置とほぼ同じ位置にあります。一方、観測者が動いている場合、例えば地球から太陽を見た時、実際の太陽の位置は見えている太陽より伝播時間約8分進んだところにあります。日の出を拝むことは約8分前に昇った太陽を見ていることになります。
(2)二連星
数百万光年の距離にある二連星の光は時間差なく地球に届きます。二連星の光は地球に対して運動する方向と光の進む方向が同じか反対(偏角θ=0又は180°)であるから、電磁波の進行速度は式(3-2)Cv=C+Vsin(θ)から光速Cとなります。つまり二連星の運行速度の差は光の伝播速度に影響しません。この現象が「光速は光源の運動にかかわらず一定である」という誤りを生んでいます。
(3)水星の運行
水星の近日点の移動について
水星は約50km/sで太陽の周りを公転しています。水星の太陽面通過の時刻について、水星と地球上の観測時間遅れについて検討します。水星の太陽面通過時刻は光の伝播遅延約6分を考慮する必要ありません。
しかしながら、この現象の観測データを発見できませんので今後の宿題とします。近日点移動の現象は観測値のずれが原因かもしれせん。これは課題として提起します。

8)GPSにおける距離計測

人工衛星と地上との距離計測計算に用いる電波の伝播時間tは電磁波の進行速度です。すなわち、t=r/((c^2+(vxsin(θ))^2)^(1/2)ですが、実際はt=r/cとして計算しています。それによる誤差を”その他の誤差”に含めていると考えられます。
C;電磁波の速度
r;人工衛星と地上間の距離(人工衛星の軌道高さ)
θ;人工衛星と地上受信機のなす偏角

9)アンテナ

磁界を電流が横切ると導体に力が発生しますが、これは運動する電流が磁場を生成するときに生じる反作用の力です。電磁波を出しているアンテナが運動することは高周波電流が流れている導体が運動していることと同様に電流はアンテナに力を生じさせます。すなわち、運動するアンテナ電流は電磁波に運動量を与えることになります。

10)その他の事象・課題

発生源の進行方向と横向きに進む電磁波が「光速度一定」の原則で置き去りにされると不都合なことが起きます。一方、電磁波の進行速度が発生源の運動速度に受ける影響は無視できるくらい小さいことが分かります。
(1)大砲の照準
戦艦の大砲は40km先の標的を目標にすることが出来ます。照準の計算で地球の運動により1/2,000の誤差が発生すると40km先では20mとなりますががそのような事実はありません。大砲の照準の計算に地球の運動は影響していません。
(2)放送波の伝播
テレビやラジオの放送波は全く地球の動きの影響を受けていません。ましてやレーダ観測装置やマイクロ波の伝送に地球の運動の影響があったとしたら現代社会は成立しないでしょう。
(3)日本標準時(JJY)
標準時間の発信局は佐賀県と福島県にあります。それぞれから発信されている60HZ、40Hzの標準電波を受信した波形には12時間周期で位相の変化が観測されたという研究があります。高精度情報を送っている電波は地球の回転運動に伴う運行速度に影響を受けていることが考えられます。

5.検証実験

(1)絶対静止系の検出
電磁波の進行速度を計測することが出来れば観測装置が置かれている場所の運動を知ることが出来ます。しかしながら電磁波の進行速度を地球上で計測することはできません。
(2)電磁波の見かけ速度の計測
地球上で電磁波の見かけ速度を計測する装置は現在あるのでしょうか、ここに改めて計測実験を提案します。
離れた二地点に高精度の時計を置き、電磁波の発射時刻と到着時刻を計測する方法で放射する光の見かげ速度を計測し「地球上で観測される電磁波の速度 図3-6」の特性を調べます。それを足掛かりとしてさらなる電磁波の本質の探求したいと考えます。

6.おわりに

本論を思いつたときからは長い時間が経ちましたが進展を見ないでもどかしい思いをしています。また、根本的に間違っているのではという不安はありますが他の新しい理論は考えられません。世の中ではこの分野の研究が日日されていますが新しい情報もありません。ここに一般の研究者からの意見・評価を求めたいと考えます。付け加えれば本理論に興味を持たれ、前向きのご提案が頂けたら至極に存じます。
連絡用のメールアドレスを表明しますのでご意見をお寄せください。
 寺井 修
 E-Mail;treraio46@gmail.com
<メールアドレスを訂正しました。’21/09/23>