囲碁

 囲碁を長いことやっていますが現役のころは適当な時間つぶし程度でした。リタイヤーしてから囲碁の本を読んだりパソコンでネット囲碁を始めました。囲碁は難しいですがそれなりの理屈(ゲームの理論)と対局の要領を研究することが面白く楽しいのです。囲碁は競技ですが勝ち負けを優先するゲームではありません。さらなる技量向上のために記述します。
2023/09/21改定 「攻め合い」

囲碁の心得

囲碁を効率よく打つためには棋理の理解が大切です。石の効率は打った石単独では計れません。石のまとまりとまとまりが構成する全体の配石で決まります。
1)将来を予想した作戦
2)先手をとる意識
3)配石に合った定石の選択
4)先に打った配石を活用
5)読む力=想定力
 私の囲碁に対する心掛けは「やきもち厳禁、辛抱強く」、亡くなられましたがコミュニテ―囲碁の師に言われた言葉「考え方を変えれば2子強くなる。」です。

一手の価値

 囲碁の競技は開始から終了(終局)まで序盤、中盤、ヨセと段階的に進行します。いずれの段階でも着手は交互に打ち、その一手の価値が勝敗に影響します。囲碁の勝敗は地(ハマ)の大きさで決まります。一局の手数は約250手で一方の地が50目とすると両方で100目、一手の価値は初手から8手くらいまではそれぞれ約20目(価値相当)があります。それ以降一手の価値は場面に応じて変化しますが手が進むに従い一手の価値は低くなり、最後の一手は1目です。黒が先に打つ価値(コミ)は統計的な評価で6目半(中国は7目半)です。打つ石の価値の白黒の総和は250x(20+1)/2=2,625で100目の地合いを作るので1目当たりの価値(価値当量)は約26目です。言い換えれば26目相当の効果を得ると1目の地を作ることが出来ます。ちなみに6目半のコミは171目の価値相当です。また、一般に一目の置石のハンデは12目としているがこれは312目の価値相当です。

碁盤の特性

19路の碁盤は361の交点に石を置きます。盤中の十字路の数は289、辺の丁字路は68、隅は4箇所です。 独立した一目を作るためにはそれぞれ7個、4個、3個の石が必要です。生きた一群を構成するには目が二つ必要なので、それぞれ11個、8個、6個です。また、最小の4目生きは、それぞれ12個、8個、6個です。但し隅の曲がり4目は生きではないので中子が必要で7個となります。これからわかることは地を囲うために隅、辺、中、の順に囲うとが効率が良いといえます。しかしながら総合的な石の価値は、発展性すなわち他の石との協力関係が重要です。中央部分は四方へ、辺は三方、隅は二方に展開することが出来ます。
地を作る効果と外部への発展の価値を合わせた総合価値はどのように評価したらよいでしょうか。
地を作るための効率は、1は空き隅2に掛かり又は締まり3に辺となります。

着手の考え方

優先順序

囲碁の着手は戦略的に敵の石を脅かすことが効率的です。弱い石(生きていない石)を連続的に攻めながら着手すれば陣地の獲得に大きな効果が得られます。効果の大きさは自分の利得+相手の削減です。単純に地を囲うのは利得のみです。着手する順序は戦略的に打つ必要があります。
その優先順序は
1)急場
2)大場
3)地の確保又は相手地の削減
となります。また、着手は広い方からの原則が有りますがその理由はどうでしょうか。 盤面全体で常に最善の着手をすることが最優先で他のことは考えなくとも良いのですが、戦略を立てるために形勢判断は大切です。地(ハマ)は最後に数えますが、途中で形勢を知るために数えることは有ります。ハマの数え方は2目づつ、死に石1個を2目として数える仕方があります。しかしながら、ハマを数えることに勢力を使うのではなく、一手一手に力を注ぐのが良いでしょう。地を数えたからと言って有利になるわけではない。

囲碁の形

1)石の連続と切断 碁盤の目は四角で構成されているので縦横に連続している石と斜めに配置している石がある。白黒斜めにある石は互いに切断している関係にある。
2)伸びるとダメが増える数
①中;2
②辺に突き当たり;1
③辺にソイ;1
④グズミ;2

攻め合い

1.攻め合いの原理

(「2.攻め合いの説明」参照) 攻め合いでは、ダメ(呼吸点)の数の多い方が勝つ。
1)攻め合いは白黒それぞれ2グループ(A,B,C,D)の4グループが関係する。さらに、5、6グループが関係する局面もある。
2)ダメには、B,CおよびA,D間の外ダメa,bとA,Bの間の共通のダメcがある。

2.攻め合いの順序

1)ダメ詰めの原則
外ダメは相手のダメを1手、内ダメは相互のダメを1手詰めることになる。従って外ダメから詰めるのが原則である。ダメを詰める方向は右回り、左回りどちらでもよいが、方向性がある場合がある。
ナカデの手数は1-1、2-2、3-3、4-5、5-8、6-13、眼が7以上は生きかセキとなる。
2)ダメを詰める技術
①先手ダメ;ダメ詰めの継続。
②ホオリコミ;ダメを相手に詰めさせ、ダメの数を一つ減らす。
③1眼を作り手数を増加する。
④下がり;渡り、手数の増加。

2.攻め合いの説明

a;黒Aと白Dの間のダメ数(外ダメ)+眼の目数
b;白Bと黒Cの間のダメ数(外ダメ)+眼の目数
c;黒Aと白Bの共通ダメ(内ダメ)の数
1)攻め合いの原型(外ダメのみ)
囲碁攻め合い-1  黒、白ともに外ダメだけなのでその数により決まる。aとbは等しいので先手が勝。

2)内ダメがある場合
囲碁攻め合い-2  黒石、白石の間に内ダメがあるので外ダメと内ダメの合計との比較になる。等しい場合は先手が勝つ。

3)一方の石に目がある場合(目あり目無し)
囲碁攻め合い-3 黒に一眼あるので、b>a+cの場合のみ白が勝ちとなりますが、それ以外は黒の勝ちとなる。図はa+c=6,b=6で同じ場合は先手が勝つ。


4)双方に一眼ある場合
囲碁攻め合い-4  黒石、白石の間に内ダメがあるので片方の外ダメと内ダメの合計と他方の外ダメの比較になる。眼の目数は外ダメに加る。同数の場合はセキ。


5)肩の方の目が大きい場合(大中小中おおなかこなか)
囲碁攻め合い-5  図はa=b+c=7です。先手が勝ちになります。 眼も目数は外ダメに加り、手数は3-3,4-5,5-8,6-13となります。

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囲碁2017/2/2